メディア掲載情報
2010 年のメディア掲載情報
2010年8月発売・発行・公開の雑誌等メディア掲載情報です。
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8月26日（木）発行［『朝日新聞』夕刊］
三重県出身作曲家・斉木由美「二つの素描」 バイオリン協奏 情景歌う
タイトルの「素描」は日々の思考の記録、日記を意味する。「協奏曲的な作品を」という依頼に、「ソリストとオーケストラが語り合う『協奏曲』は過去のスタイルであり、向き合ってきた世界にはマッチしない。この難題に、”歌と伴奏”を楽想の出発点として取り組んだ」。
1曲目は村上春樹の小説「海辺のカフカ」に触発された。「『森』を表すオーケストラに『旅人』のバイオリンが入っていく。旅人が内面の葛藤と闘いながら、混沌とした森に踏み込んでいく情景を表現した」
2曲目は、オーケストラのひとつの響きと対になるように、バイオリンが特徴的な動きで複数のキャラクターを演じる。「音響についての考察を曲にしようと、現代フランス音楽の潮流のひとつである『スペクトル音楽』の響きを取り入れた」
バイオリンには、神経質で少し悲しく、孤独な響きを感じるという。「聴き慣れた響きではなく、ときに雑音に近い高音の中に表現がある。耳を澄ませて味わってもらいたい」