メディア掲載情報
2018 年のメディア掲載情報
2018年3月発売・発行・公開の雑誌等メディア掲載情報です。
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3月18日発売【『音楽の友』4月号】
コンサートレビュー(P.185)
▼コンサートレビュー
広上淳一が名フィルの定期を振るのは2012年以来5シーズンぶり。1曲目のクーネ《エレヴェーター・ミュージック》(日本初演)からめりはりの利いた期待通りの快演で、8ビートを軸にしたキレのよいリズムが多彩な音色を帯びながら躍動する。短い曲だがとにかく楽しく、一気呵成の勢いも心地よい。
熱いパワーで心をつかんだ後に北欧の2曲。シベリウスの協奏曲は、シベリウス国際ヴァイオリン・コンクールの優勝経験もあるアリーナ・ポゴストキーナが独奏を務めた。名器ストラディヴァリウス「サセルノ」を用いたその調べは最初少し線が細いように感じたが、構えの確かなオーケストラとの協奏の中で次第に美点は鮮明に。高音域でも鋭くならない、ふわりとした柔らかい音を紡ぎだし、清涼な詩情をただよわせた。
後半のアッテルベリ《交響曲第6番》は広上のお気に入りの曲だけに、魅力を十分に引き出した開放感あふれる演奏。ドラマのテーマ音楽ような流れの第1楽章がたっぷりとした響きで運ばれると、第2楽章は幻想的な色合いが陶然とした美しさ。第3楽章では調やモティーフの多層的な書法が明快にこなされ、わかりやすく心浮き立つフィナーレとなった。(小沢優子)
3月15日(水)発行 『中日新聞』朝刊
【名フィル 小泉音楽監督の任期延長】団員の向上心を刺激
3月13日に発表した小泉和裕の音楽監督契約延長のニュースが中日新聞に掲載されました。
3月7日(水)発行 『日経新聞』朝刊
【第454回定期演奏会批評】日本初演作、炸裂する音群
名古屋フィルハーモニー交響楽団第454回定期演奏会は、特性のある興味深い作品を配置しての公演だった。
広上淳一の指揮により、日本初演であるクーネ「エレヴェーター・ミュージック」で幕を開けた。打楽器群の強打による音群が炸裂する「音の塊」から始まり、金管群の主題提示などポピュラー音楽的ともいえるイメージ豊かな演奏だった。
つづく2曲目では1曲目とは対照的なヴァイオリンのおだやかなメロディーから展開し、弦と管の音塊群が交錯してゆく。ヴァイオリンのソロは、サンクトペテルブルク生まれで多くの著名コンクール優勝経験をもつアリーナ・ポゴストキーナ。とくに今回の演奏で使用されたストラディヴァリウスの「サセルノ」伯爵が愛用したことから名付けられた名器だ。第1楽章のカデンツァはじめ多彩な表情での演奏を聴かせたが、さらにふくらみある表現を聴きたかった。
終曲のアッテルベリの交響曲第6番は、シューベルト没後100年を記念する作曲コンクールで優勝し、1万ドルの賞金を得たこともあって「ドル・シンフォニー」とされる作品である。情感あふれる第1楽章の主題はじめスウェーデンの民族音楽を素材としたクラリネットのふくよかなメロディーや華麗な終楽章まで、印象深い演奏だった。
このそれぞれ特性の大きい3曲を明快でドラマティックに対照させながら名フィルを導いた指揮者広上ならではの傾聴に値する好演奏だった。広上は京都市交響楽団はじめオペラでも活躍するなど、日本を代表する指揮者と言えよう。
(音楽評論家 藤井知昭)
名古屋フィルハーモニー交響楽団は、平日昼のコンサートを初めてシリーズ化し、二月二十八日に初回を行う。一般的に夜のイメージが強いオーケストラ公演だが、東京ではここ数年の取り組みで人気が定着したオケもある。名古屋でも新たな流れが起きそうだ。」