大隅智佳子
ソプラノ
神奈川県出身。東京芸術大学音楽学部声楽科首席卒業。同大学院修士課程オペラ科修了。同大学院博士後期課程音楽研究科オペラ専攻科修了。二期会オペラ研修所プロフェッショナル・コース第7期修了。学部在学中に安宅賞、卒業時に第13回松田トシ賞、アカンサス音楽賞受賞。首席卒業の栄誉として皇居内挑華楽堂における宮内庁主催御前演奏会に出演。東京芸術大学問声会主催新人演奏会に出演、同声会賞受賞。東京芸術大学オーケストラ定期新卒業生紹介演奏会、芸大[うた]シリーズなど学内の演奏会に出演。第6回藤沢オペラコンクール入選。
横浜市民オペラ『カルメン』ミカエラ役でオペラ・デビュー後、2006年新国立劇場小劇場ヘンデル『セルセ』ロミルダ役、同中劇場にてこどものためのオペラ劇場『スペース・トゥーランドット』ラベンダー姫(リュー)にて好演する。2007年1月シャルパンティエ『ルイーズ』タイトル・ロールにて原語日本初演に挑戦し絶賛され、8月には日生劇場の音楽ドラマ『チャイコフスキー』にタチアーナ/母役での出演し、淡路恵子・長谷川初範といったベテラン俳優陣と共演。最近では2008年2月にワーグナー『妖精』アーダ役に日本初演にて挑み、その表現力と強靭な歌声は新聞などで高く評価された。2008年9月、東京二期会が世界的巨匠の演出家ペーター・コンヴィチュニーを迎えて上演した『エフゲニ・オネーギン』にてタチアーナの成功で新境地を拓いた。2010年1月、ジョルダーノ『マダム・サン・ジェーヌ』(東京オペラプロデュース)カテリーナに出演。続く2010年5-6月、新国立劇場『影のない女』(新制作)鷹の声に出演。2011年2月には東京二期会『サロメ』(ペーター・コンヴィチュニー演出)『サロメ』のタイトル・ロールにも抜擢されており、今後の活躍から目の話せない逸材である。
その他、『秘密の結婚』エリゼッタ役、『運命の力』レオノーラ役、『ルイザ・ミラー』ルイザ役、『シモン・ボッカネグラ』アメーリア役、『椿姫』ヴィオレッタ役、『ラ・ボエーム』ミミ役、『アンナ・ボレーナ』アンナ・ボレーナ役等のレパートリーをもつ。
宗教曲などのソリストとしても活動し、ヘンデル「メサイア」、モーツァルト、ドヴォルザーク「レクイエム」、ハイドン「スターバト・マーテル」、ヴェルディ「聖歌四編」、「レクイエム」、ベートーヴェン「第九」、ストラヴィンスキー「バレエ交響曲《結婚》」などレパートリーを持つ他、C.シェーンヘル「マニフィカト」(日本初演)といった現代曲にも挑戦している。2006年12月に広上淳一指揮/新日本フィル「第九演奏会」のソリストとして大抜擢され、好評を博した。2010年10月、NHK交響楽団定期演奏会:ヴェルディ「アイーダ」(全曲・演奏会形式)では、女祭司長で出演、色彩豊かな洗練された歌唱で聴衆を魅了、その様子はNHK-BS等でも放送される。現在、東京芸術大学音楽学部オペラ研究部非常勤講師。二期会会員。