マックス・ポンマー
指揮
1936年ライプツィヒ生まれ。ライプツィヒ音楽院で指揮とピアノを、ライプツィヒ大学で音楽学を学ぶ。その後、ヘルベルト・フォン・カラヤンに学んだ時期を経て1968年博士号を修得。
1974年ライプツィヒ大学合唱団を指揮し、翌年には音楽監督に就任。1978年にはバロック音楽、特に大バッハのカンタータと声楽曲を演奏することを目的に、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のメンバーとともに「ライプツィヒ新バッハ合奏団」を設立。バッハ〈ブランデンブルク協奏曲集〉の録音で受賞した”Deutscher Schallplattenpreis”をはじめ、国際的な数々の賞を受賞し、この楽団とともに指揮者としての国際的な認知度、特に東西ドイツ統一前のヨーロッパやアメリカに名前が知れ渡った。
1987-91年ライプツィヒ放送響(MDR)の首席指揮者を、1990-2003年ザールラント音楽大学指揮科の教授を歴任。この地でメス、ナンシー、ルクセンブルク、ザールブリュッケンで音楽を学ぶ学生を集め「Saar-Lor-Luxオーケストラ」(Saar=ザールラント、Lor=ロレーヌ、Lux=ルクセンブルク。それぞれの頭文字を取って命名)を設立。このような活動でのヨーロッパ統一への芸術的献身は、下記の通り高く評価されている。
「このオーケストラは楽曲をよどみなく、技術的にも統制された演奏を聴かせ、ポンマーの指揮は最後まで機能的で、想像力をかき立てられるものであった。私たちは高品質で、刺激的なコンサートを体験することができた」(『ルクセンブルガー・ヴォルト』紙)
「Saar-Lor-Lux、デラックス」(『エスト・レピュブリカン』紙)
客演活動はドイツを中心に、セントポール室内管、ザンクト・ガレン交響楽団、ボルドー・アキテーヌ国立管、バーデンバーデン・フライブルク南西ドイツ放送交響楽団など、多く楽団で行なっている。1991年ザルツブルク・フェスティヴァルでザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団を初めて指揮して以来関係が深まり、スペインや北米のツアーを成功させている。
1991年からはハンブルクの素晴らしいアンサンブルのひとつである、ハンブルク・カメラータと密接な関係を持つようになり、2001年に音楽監督に就任。ハンブルク・ムジークハレでの定期演奏会のほか、シュレスヴィヒ・ホルシュタイン、メクレンブルク・フォアポンメルン、MDR夏の音楽祭などの高名な音楽祭にも出演している。2000年からは、オランダ・シンフォニア(旧称:北オランダ・フィル)の初代定期客演指揮者となった。2004年には同団と、ウィレム・メンゲルベルク以来伝統の「聖金曜日コンサート」としてバッハ「マタイ受難曲」をアムステルダム・コンセルトヘボウにて演奏している。2009年にインスブルック州立劇場にてワーグナー『ラインの黄金』を指揮、成功を収めた。2010年3月にはキール・フィルにてブリテン、コルンゴルト、ディーリアス、ドビュッシーの作品を指揮している。
レコーディングは幅広くバラエティに富んでいる。バッハ、ヘンデル、ドビュッシーの管弦楽作品をドイツのカプリッチョに、モーツァルトの交響曲と初期のオペラをベルリン・クラシックスに、エイノユハニ・ラウタヴァーラとクルト・ヴァイルの作品をフィンランドのオンディーヌに録音しているほか、シェーンベルクやアイスラー、デッサウなどドイツの現代作曲家の作品をエテルナに録音している。