モーシェ・アツモン
名フィル名誉指揮者
「幾度となくアツモン氏はオーケストラから想像もつかない驚きのニュアンスを引き出す。だから聴き手は時折、良く知っているはずの『田園』をあたかも初めて聴いたように感じるのだ。アツモン氏の有無を言わせぬ、しかし全く持って気取らぬ指揮にとても相応しい大喝采が贈られた」
(ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団)
歌劇場、コンサートホールどちらにおいても良く知られた指揮者であり、ドルトムント歌劇場の総音楽監督を数年務め、ベルリン・ドイツ・オペラ、ハンブルク州立歌劇場、バーゼル歌劇場、イスタンブール国立歌劇場、デンマーク王立歌劇場等で指揮をしている。また、ハンブルク・北ドイツ放送交響楽団、シドニー交響楽団、東京都交響楽団、バーゼル交響楽団、デンマークのオールボー交響楽団の首席指揮者、名フィルの常任指揮者(現在は名誉指揮者)、またソウルのKBS交響楽団およびフランスのブルターニュ管弦楽団の首席客演指揮者を務めてきた。
これまでに世界各地の主要コンサートホールにて、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団やロンドンの主要なオーケストラをはじめとする多くの偉大なオーケストラを指揮。最近では、東京のNHK交響楽団、ミラノ・ジュゼッペ・ヴェルディ交響楽団を再び指揮、2009年秋にはブタペストにて『ナブッコ』を指揮した。
ハンガリー出身、ブダペストで音楽教育を受け始めた。13歳のときに家族とともにイスラエルに移住し、テル・アヴィヴ、およびエルサレムの音楽院で、チェロ、ホルン、指揮、作曲を学ぶ。卒業後、1960年ロンドンのギルドホール音楽院で、指揮の勉強を再開し、プロのホルン奏者として活躍した。指揮法は故アンタル・ドラティに師事する。3年後にはニューヨークのミトロプーロス指揮者コンクールで第2位を、また、タングルウッドではレナード・バーンスタイン賞を受賞する。1964年、リヴァプール国際指揮者コンクールで優勝。
多くのレコーディングを主にドイツ・グラモフォン、デッカ、EMI、BISで行なっている。
2016年をもって指揮活動の引退を発表。最後の公演は名フィルの12月9,10日開催<第441回定期演奏会>、12月16,17日<第55回市民会館名曲シリーズ>となった。