藤倉大
初代コンポーザー・イン・レジデンス
藤倉 大
藤倉大は大阪に生まれ、今や20年以上を英国で過ごしている。英国ではエドウィン・ロックスバラ、ダリル・ランズウィッ ク、ジョージ・ベンジャミンに師事し、作曲を学んだ。これまでイギリスのハダースフィールド国際音楽祭作曲家賞、ロイヤル・フィルハーモニック作曲賞、 オーストリアの国際ウィーン作曲賞、ドイツのパウル・ヒンデミット賞、2009年の第57回尾高賞および第19回芥川作曲賞、2010年の中島健蔵音楽 賞、エクソンモービル賞をはじめ、数々の著名な作曲賞を受賞している。
藤倉が受けた委嘱、そしてその作品が演奏される公演リストを見れば、急速に彼が真の国際的な作曲家になりつつ あることが分かる。彼の作品は母国や居住国だけではなく、カラカス、オスロ、ベネツィア、シュレスヴィヒ=ホルシュタイン、ルツェルン、パリと地理的に多 様な場所で演奏されている。
日本では2012年にサントリーホールで個展コンサートを開くという貴重な機会を与えられている。妻と家族で 住んでいるロンドンでは、BBCプロムスから2つの委嘱を受けているほか、コントラバス協奏曲がロンドン・シンフォニエッタによって初演されている。 2013年には《atom》が”Total Immersion: Sounds from Japan”と題する演奏会の中で、BBC交響楽団によってイギリス初演された。
藤倉の音楽はフランスでも受け入れられ、多数の委嘱が行なわれている。中でも彼の初めてのオペラ作品(演出: 勅使川原三郎、シャンゼリゼ劇場・ローザンヌ歌劇場・リール歌劇場による共同制作)はそれらの頂点と言える。ドイツでは、グスターボ・ドゥダメルとシモ ン・ボリバル・ユース・オーケストラに捧げられ、世界初演された作品である、《Tocar y luchar》がベルリンのウルトラシャル音楽祭でヨーロッパ初演された。
これまでに藤倉の作品を初演・演奏した指揮者には、マーティン・ブラビンズ、ティエリー・フィッシャー、ピ エール・ブーレーズ、ペーター・エトヴェシュ、ジョナサン・ノット、グスターボ・ドゥダメル、アレクサンダー・リープライヒ、下野竜也、山田和樹らが挙げ られ、彼の作品は国際的に共同委嘱されることがますます増えている。
2012年にはNMCレーベルより藤倉の作品集のCD《secret forest》がリリースされた。2013年秋にはKAIROSレーベルよりインターナショナル・コンテンポラリー・アンサンブルが演奏する藤倉の作品集 のCDがリリースされた。2014年4月には藤倉大のレーベル「ミナベル(Minabel Records)」より、名フィルが日本初演を行なったピアノ協奏曲《アンペール》のライヴ録音を含むCDがリリースされる。彼の作品の楽譜はリコル ディ・ミュンヘン(ユニバーサル・ミュージック・パブリッシング・グループ)より出版されている。
2014年4月、名フィルのコンポーザー・イン・レジデンスに就任。